✍️ この記事を書いた人
とっち|理学療法士(PT歴18年)
回復期リハビリテーション病院勤務/脳卒中認定理学療法士/3学会合同呼吸療法認定士
学会発表・論文投稿経験あり。18年のキャリアを通じて数多くの肺炎後患者のリハビリに関わってきた現場の視点からお伝えします。
肺炎が治った後のリハビリを受けた患者さんの約9割に、サルコペニア(筋力・筋肉量の低下)が合併している——この数字、正直はじめてデータで見た時はかなり衝撃でした。「さすがに多すぎじゃ?」って思ったくらい。でも現場で18年やってきた感覚からすると、たしかにそうなんです。むしろ「サルコペニアじゃない人を探すほうが難しい」くらいの印象があります。
肺炎って、「熱が下がって炎症が治まればOK」じゃないんですよね。入院中の安静・食欲低下・全身の炎症が重なって、気づいたら筋肉がごっそり落ちている。「退院したのにふらふらする」「ちょっと動いただけで息が切れる」——これ、決して年齢のせいだけじゃなくて、回復期にきちんとリハビリと栄養を組み合わせることで、ちゃんと変わっていくんです。
この記事では、肺炎後に体が動かなくなる理由と、回復期でやるべきことを現場の視点でまとめました。
肺炎後のリハビリ|回復期での呼吸機能訓練とは【理学療法士が解説】
「肺炎が治ったのに、なぜこんなに体が動かないの?」「息切れがひどくて、退院後の生活が心配……」——肺炎が回復したあと、このような不安を感じる患者さんやご家族は非常に多いです。
肺炎は肺の炎症であると同時に、安静・入院・低栄養を通じて全身に二次的なダメージを与える疾患です。炎症が治まった後でも「体が動かない」「すぐ疲れる」「呼吸が浅い」といった問題が残ることは珍しくありません。こうした状態を回復させるのが、「肺炎後の呼吸リハビリ」です。
この記事では、3学会合同呼吸療法認定士として回復期リハ病院で日々肺炎後患者に関わってきた理学療法士が、「何が起こっているのか」「何をすべきか」「どのくらいで回復するのか」を、現場のリアルを交えながら深く・分かりやすく解説します。
📋 この記事でわかること
- 肺炎後に「体が動かなくなる」2つの主要メカニズム(廃用症候群・サルコペニア)
- 回復期における呼吸機能訓練の具体的な内容と順序
- SpO₂(酸素飽和度)を見ながら進める運動療法の実際
- リハビリ栄養(リハ栄養)との同時アプローチの重要性
- 自宅退院後に自分でできるセルフケアのポイント
- 「いつまで続ければいい?」という回復の見通し
🫁 なぜ肺炎が治っても「動けない」のか?2つの主要メカニズム
「炎症が治まったのにまだ動けない」という訴えは、肺炎後患者ではごく一般的です。これは決して怠けているわけでも、精神的なものでもありません。肺炎後の機能低下には、主に2つのメカニズムが絡み合っています。
① 廃用症候群(はいようしょうこうぐん)——安静の代償
廃用症候群とは、疾患や治療のために安静状態が続いた結果、全身の臓器・機能が二次的に低下してしまった状態の総称です。入院中のベッド安静が続くと、驚くほど急速に身体機能が失われます。

⚠️ 廃用症候群が引き起こす主な問題
- 筋力低下・筋萎縮:安静1日で筋力は約1〜3%低下するといわれる
- 心肺機能の低下:1週間の臥床で最大酸素摂取量(VO₂max)が約15〜20%低下
- 起立性低血圧:立ち上がると血圧が下がり、ふらつきや失神が起きやすくなる
- 認知機能・気力の低下:刺激の少ない入院環境での精神的・認知的な衰え
- 嚥下機能の低下:呼吸・嚥下関連筋の廃用が誤嚥リスクを高める
診療報酬上では、治療開始時にFIM 115点以下またはBarthel Index 85点以下の場合に「廃用症候群」として呼吸器・廃用リハビリテーションの算定対象となります1。回復期病棟に転院してくる肺炎後患者の多くが、この基準を満たしています。
② サルコペニア——肺炎後患者の約9割が抱える問題

サルコペニアとは、進行性・全身性の骨格筋量・筋力の低下であり、転倒・骨折・ADL障害・死亡といった不良転帰に関連します。
注目すべきは、その有病率の高さです。ある回復期病棟での調査では、肺炎後の廃用症候群患者において約9割にサルコペニアが認められ、大腿骨近位部骨折・脳梗塞・脊椎圧迫骨折よりも高率だったと報告されています2。これは肺炎が持つ全身炎症(システミック炎症)による筋タンパク分解亢進と、安静・低栄養の複合的な影響によるものです。
🔴 肺炎後サルコペニアが起こる仕組み
肺炎→全身性炎症(サイトカインストーム)→筋タンパク分解亢進→筋肉量の急速な減少
+発熱・食欲不振→低栄養→筋合成能の低下
+安静→廃用性筋萎縮
=三重苦による筋量の急速な喪失
サルコペニアを抱えた患者さんは、退院時のADL・嚥下レベル・自宅退院率がいずれも悪化することが示されており2、リハビリにおける最重要課題の一つです。
🔬 肺炎後の「呼吸機能」に何が起きているか——回復の経過を知る
リハビリを進めるうえで、「肺炎後の肺がどのような状態にあるか」を理解しておくことは非常に重要です。
肺の構造的回復には時間がかかる
一般的な市中肺炎であれば、炎症・浸潤影は治療後数週間で消退します。しかし重症肺炎・ICU入室を要した症例では、肺機能の回復に1年以上かかることがあるとする報告があり3、一部では肺拡散能(DLco)の低下が長期間持続することも知られています。
特に近年注目されているのが、COVID-19肺炎後の経過です。重症例では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や肺線維化を合併するケースがあり、退院後も息切れ・疲労感・認知機能低下などが持続するいわゆる「コロナ後遺症(Long COVID)」が問題になっています4。
| 肺炎の種類・重症度 | 呼吸機能回復の目安 | リハビリ上の特徴 |
|---|---|---|
| 軽〜中等症市中肺炎 | 2〜4週間でほぼ回復 | 廃用・低栄養対策が中心 |
| 誤嚥性肺炎(高齢者) | 炎症は回復するが再発リスク高 | 嚥下機能・口腔ケアが必須 |
| 重症肺炎(ICU管理) | 6ヶ月〜1年以上を要することも | ICU-AW・PICS対策が必要 |
| コロナ肺炎(重症例) | 後遺症として息切れが数ヶ月続く | 呼吸リハ+認知・疲労へのアプローチ |
「ICU-AW(集中治療室獲得性筋力低下)」とは、ICU入室患者の約40%に発生するとされる神経・筋障害であり5、退室後も全身の筋力低下・疲労が持続します。「PICS(集中治療後症候群)」は、身体・認知・精神機能への複合的な影響を指し、近年急速に注目されるようになった概念です。
🏥 回復期リハ病棟での呼吸機能訓練——実際に何をするのか
回復期リハ病棟への転院直後は、患者さんの全身状態のばらつきが大きいため、まず段階的な評価を行い、その人に合ったリハビリプログラムを組み立てることが重要です。
STEP 1:呼吸・全身状態の評価
リハビリを開始する前に、以下の評価を行います。これが「安全なリハビリ」と「効果的なプログラム立案」の両方に不可欠です。
📋 転院時に行う主な評価
- SpO₂(経皮的動脈血酸素飽和度):安静時・労作時の変化を確認
- 呼吸数・呼吸パターン:浅速呼吸の有無、補助呼吸筋の過使用
- 6分間歩行試験(6MWT)または50m歩行:運動耐容能の指標
- Modified Borg Scale:息切れの主観的な強度を数値化(0〜10)
- 握力・下肢筋力(CS-30など):サルコペニアの簡易スクリーニング
- 栄養評価(MNA-SF・GLIM基準):低栄養の有無とその程度
- 嚥下評価(RSST・改訂水飲みテスト):誤嚥リスクのスクリーニング
- ADL評価(FIM・Barthel Index):現在の生活機能レベルの把握
STEP 2:コンディショニング——動く前に「呼吸を整える」
安静期間が長い患者さんは、呼吸パターン自体が乱れていることが多いです。まず呼吸を整えることから始めます。
🔶 口すぼめ呼吸
鼻から2カウントで吸い、口をすぼめて4〜6カウントで吐く。気道の虚脱を防ぎ呼吸効率を改善。COPDを合併している肺炎後患者に特に有効6。
🔷 横隔膜呼吸の再学習
入院中の安静でいつの間にか胸式優位になっていることが多い。腹部に手を当ててゆっくりと吸い、吐く練習を通じて横隔膜を意識的に動かす習慣を取り戻す。
🔴 排痰技術の習得
肺炎後は痰が残りやすい。ハフィング(勢いよく「ハーッ」と吐く)や体位排痰、必要に応じてPEP(陽圧呼気)デバイスを活用。運動前の排痰が運動効率を高める。
STEP 3:段階的な運動療法——SpO₂と息切れを見ながら進める
呼吸リハビリにおける運動療法で最も重要な視点のひとつが、「SpO₂(酸素飽和度)の管理」です。肺炎後患者では、安静時は正常でも、歩行などの労作時にSpO₂が急低下する「労作時低酸素血症」をきたすことがあります。
⚠️ 運動中止・休憩の目安(臨床で用いる一般的な基準)
- SpO₂が90%未満に低下した場合(主治医の指示値を優先)
- 安静時比でSpO₂が4%以上低下した場合
- Modified Borg Scale(息切れ)が5(強い)以上になった場合
- 収縮期血圧が180mmHg以上 / 90mmHg未満になった場合
- 脈拍数が120 bpm以上または著明な脈拍不整が出現した場合
運動療法は以下の順序で段階的に進めます:
| 段階 | 主な内容 | 目標・ポイント |
|---|---|---|
| Phase 1 (転院直後) |
ベッド上での関節可動域訓練、端坐位保持、起立練習 | 廃用の進行防止、起立性低血圧の改善 |
| Phase 2 (離床期) |
平行棒内歩行、病棟内短距離歩行(SpO₂モニタリング下) | 安全な移動能力の獲得、口すぼめ呼吸の歩行との同調 |
| Phase 3 (活動拡大期) |
歩行距離の拡大、エルゴメーター、下肢・上肢筋力トレーニング | 運動耐容能の回復、サルコペニアへの対応 |
| Phase 4 (退院準備期) |
ADLトレーニング、屋外歩行、段差・階段練習 | 自宅環境への適応、在宅での自主トレーニング習慣の形成 |
STEP 4:吸気筋トレーニング(IMT)——見落とされがちな「呼吸筋」の弱化
肺炎後・ICU入室後の患者では、呼吸筋そのものが弱化していることがあります。特に人工呼吸器管理を受けた患者では、横隔膜の萎縮・機能低下が起こることが知られています。
吸気筋トレーニング(IMT)は、最大吸気圧(MIP)の30〜40%程度の負荷から始め、週数回・数週間〜数ヶ月にわたって継続することで、吸気筋力の改善・息切れ軽減・QOL向上に繋がるとするエビデンスが蓄積されています7。
🥗 「リハビリ×栄養」の同時アプローチ——筋肉を作りながら動く
肺炎後のリハビリで決して見逃せないのが栄養管理との連携です。どんなに丁寧な運動療法を行っても、筋肉の材料(特にタンパク質)が足りなければ筋肉は増えません。この考え方を「リハビリテーション栄養(リハ栄養)」と呼びます。
サルコペニアと低栄養は同時に起こることが多く、低栄養状態での生活機能低下は「栄養改善そのものが治療になる」と位置づけられています1。
✅ 肺炎後のリハ栄養で意識したいポイント
- タンパク質摂取量の確保:高齢・低栄養患者では体重1kgあたり1.2〜1.5g/日が目安
- エネルギー摂取の適正化:過不足なく必要エネルギーを摂取する(低栄養改善期は高め設定)
- ビタミンDの補充:骨格筋の機能維持に関与。不足すると筋力低下・転倒リスクが上昇
- 食形態の個別化:嚥下機能に合わせて学会分類2021に沿った食形態を選択
- 食事前の口腔ケア:誤嚥性肺炎の予防として最重要習慣のひとつ
回復期の多職種チームでは、理学療法士による運動療法と、管理栄養士による栄養管理が車の両輪として機能します。どちらが欠けても、筋肉の回復スピードは大きく落ちてしまいます。
💬 現場から:「歩けると思っていなかった」Aさんの回復
「もう80代だから、ここまで動けなくなったのは仕方ないですよね。」
回復期病棟へ転院された80代女性の患者さんのご家族から、最初にかけられた言葉です。
Aさんは誤嚥性肺炎の治療を終えて転院されましたが、歩行はできず車椅子介助レベルでした。安静時のSpO₂は95%前後を保てていたものの、少し身体を動かすだけで88〜89%まで低下し、食事量も減っていたことから、「肺炎が治っても体力が戻らない」という典型的な状態でした。
評価を進めると、サルコペニアと低栄養が重なっていることが分かりました。筋力だけを鍛えても改善は難しいと判断し、管理栄養士と相談しながらタンパク質量や総エネルギー量を見直し、嚥下機能に合わせた食形態へ変更しました。同時に、リハビリではSpO₂が90%以上を維持できる範囲で端座位練習から開始し、無理のない範囲で活動量を少しずつ増やしていきました。
約1か月半後には、歩行器を使用して病棟内を自力で歩けるまで回復し、労作時のSpO₂低下も改善しました。
その時、ご家族が笑顔で「年齢だから仕方ないと思っていました。でも、ここまで歩けるようになるなんて想像していませんでした」と話してくださったことが今でも印象に残っています。
この経験を通して改めて感じたのは、肺炎後の回復を年齢だけで判断してはいけないということです。高齢だから回復しないのではなく、低栄養や筋力低下といった原因を一つずつ評価し、多職種で役割を分担しながら支えていくことで、取り戻せる機能は少なくありません。
私はリハビリでは「運動だけ頑張れば良くなる」とは考えていません。患者さんが再び自分らしい生活を送れるようにするためには、栄養・運動・呼吸・生活環境を一つのチームとして考えることが何より大切だと思っています。
🏠 退院後も続けよう!自宅でできる呼吸・体力維持のセルフケア
退院後も呼吸機能と筋力を維持・改善するための取り組みを継続することが、再入院を防ぎ生活の質を守るために欠かせません。以下は担当医・理学療法士の指示のもとで実践してください。
✅ 呼吸法の継続(1日2〜3回・5〜10分)
口すぼめ呼吸(鼻から吸って口をすぼめてゆっくり吐く)を日課にしましょう。歩行や階段昇降の際に同調させると、息切れが大幅に軽減します。息を吐きながら動くことが基本です。
✅ 毎日のウォーキング(無理のない強度から)
「話せるが少し息が切れる」程度(Modified Borg Scale 3〜4)を目安に歩きましょう。最初は5〜10分から始め、体調に合わせて少しずつ伸ばします。2日以上連続して空けないことを意識すると効果的です。
✅ 下肢の筋力トレーニング(週2〜3回)
椅子からの立ち座り(スクワット動作)を10〜15回×1〜2セットから始めます。転倒・膝痛がある場合は手すりや椅子に手を添えて安全に。筋力は継続することで6ヶ月以上かけて改善します。
✅ 毎日の口腔ケアと栄養確保
再誤嚥性肺炎の予防として、食前の丁寧な口腔清掃が最も効果的な予防策のひとつです。また、「食が細くなった」を放置せず、タンパク質(魚・肉・卵・大豆)を意識して摂ることが筋力維持の基本です。
✅ パルスオキシメーターでの自己モニタリング
自宅での呼吸状態の把握に、パルスオキシメーターは非常に役立ちます。安静時SpO₂が95%未満が続く場合、または動作時に90%以下に落ちる場合は、主治医へ相談を。
📊 どのくらいで回復する? エビデンスからみた見通し
肺炎後のリハビリがいつまで続くのか、患者さんやご家族が最も気になる点です。研究からわかっている回復の見通しをお伝えします。
軽〜中等症の市中肺炎では、積極的なリハビリと栄養介入を組み合わせた場合、4〜8週間のプログラムで運動耐容能・息切れ・QOLに有意な改善が得られることが多くの研究で示されています8。
一方、重症肺炎やCOVID-19重症例では、包括的なリハビリプログラムを通じて運動機能・ADLの回復が得られたという症例報告が増えてきており9、より長期的なフォローアップが重要です。
重要なのは、「退院=ゴール」ではないという点です。退院後に運動・呼吸訓練・栄養管理をやめてしまうと、回復した機能は数ヶ月で低下に向かいます。継続こそが最大のリハビリだということを覚えておいてください。
❓ よくある質問 Q&A
💬 18年目だから言える:「頑張らせすぎた」という失敗
もう7〜8年前のことです。誤嚥性肺炎で約1ヶ月入院したあと回復期に転院してきた80代の男性のことが、今でも頭に引っかかっています。
転院時のSpO₂は安静時で96%、歩行可能、食欲もそこそこある。「思ったより状態がいい」と正直思いました。当時の自分は今より少し急ぎ足で、転院から3日目にはエルゴメーターを導入して、1週間で歩行距離も100mを超えました。数字だけ見ると順調でした。
ところが転院10日目の夜、発熱。翌朝のレントゲンで右下肺野に浸潤影が確認されました。肺炎の再燃です。SpO₂は88%まで下がり、リハビリは一時中止に。主治医からは「急性増悪か再発性誤嚥か判断しづらい」と言われました。
振り返ってみると、思い当たる節がありました。リハビリ中の修正Borg Scaleを確認していたつもりでしたが、その方は「しんどいと言ったら迷惑かけると思って」と後から話してくれました。「やれています」という言葉を鵜呑みにしていた自分がいた。表情や呼吸補助筋の動きを見ていれば気づけたはずなのに、セッションの時間管理ばかり気にしていたんだと思います。
それ以来、「数字が正常でも、人は正常とは限らない」を自分の中の軸にしています。SpO₂が90%台あっても、呼吸補助筋がものすごく働いていたり、歩きながら目線が下がっていたりする患者さんは、限界に近いことがあります。その感覚は、経験を重ねないと分からない部分がある。だから肺炎後のリハビリでは特に、最初の1〜2週間は「余力を残す」練習のつもりで進めることにしています。頑張りすぎる患者さんほど、こちらが手綱を引かないといけない。そういう加減が、18年やってやっと少しわかってきた気がします。
📝 まとめ:肺炎後リハビリは「廃用×サルコペニア×低栄養」の三角形を攻める
- 肺炎後の機能低下は、廃用症候群・サルコペニア・低栄養の三重構造によって起こる
- 肺炎後の廃用症候群患者の約9割にサルコペニアが合併しており、ADL・自宅退院率に直結する
- 回復期でのリハビリは、段階的な運動療法・コンディショニング・リハ栄養の同時アプローチが基本
- 運動中のSpO₂モニタリングが安全な負荷設定の要であり、90%未満への低下は中止の目安
- 退院後も口すぼめ呼吸・下肢筋力トレーニング・栄養管理を継続することで再入院リスクを低減できる
- 「退院=ゴール」ではない——回復した機能は継続によってはじめて定着する
このシリーズの次の記事では「喘息と運動|安全に身体を動かすためのポイント」を解説します。ぜひブックマークして続けてお読みください。
📚 参考文献
- 若林秀隆. リハビリテーション栄養の視点で考える誤嚥性肺炎予防. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌. 2019;29(1):81-86. https://doi.org/10.15032/jsrcr.29.1.81
- 東口高志ほか. 回復期リハビリテーション病棟で医原性サルコペニアをつくらないために. 医学界新聞. 2020;第3365号. https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2020/PA03365_02
- Huang C, et al. Recovery of lung function during the first year after COVID-19: a systematic review and meta-analysis. Eur Respir Rev. 2025;34(177):250029. https://doi.org/10.1183/16000617.0029-2025
- Martínez-Pozas O, et al. The pulmonary rehabilitation effect on long covid‐19 syndrome: A systematic review and meta-analysis. Physiother Res Int. 2024;29(1):e2077. https://doi.org/10.1002/pri.2077
- Appleton RT, Kinsella J, Quasim T. The incidence of intensive care unit-acquired weakness syndromes: a systematic review. J Intensive Care Soc. 2015;16(2):126-136. https://doi.org/10.1177/1751143714563016
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会ほか. 呼吸リハビリテーションに関するステートメント. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌. 2018;27(2):95-114. https://doi.org/10.15032/jsrcr.27.2.95
- Eleftheriadis I, et al. Effects of pulmonary rehabilitation on respiratory function in mechanically ventilated patients: a systematic review and meta-analysis. BMC Pulm Med. 2025;25(1):15. https://doi.org/10.1186/s12890-024-03461-4
- Sherif ME, et al. Recent physiotherapeutic advancement for managing symptoms of pneumonia – a systematic review. Bull Fac Phys Ther. 2025;30:62. https://doi.org/10.1186/s43161-025-00316-9
- 佐藤敬太ほか. 回復期リハビリテーション病棟での継続的なリハビリテーションにより運動機能・ADLが改善した人工呼吸器離脱後のCOVID-19重症患者3症例. 呼吸理学療法学. 2024;3(1):41. https://doi.org/10.57559/jspt.3.1_41
【免責事項】
本記事は一般的な健康・医療情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的とするものではありません。症状・疾患の管理については必ず担当医・専門医にご相談ください。記事内で紹介した運動・呼吸法は、疾患を持つ方が実施する場合は必ず主治医・理学療法士の指示のもとで行ってください。また、紹介している製品についても使用前に医療専門家への確認をお勧めします。
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