痰がうまく出せない…排痰法の基本を理学療法士が解説【ハフィング・ACBT・体位ドレナージ】

セルフケア・リハビリ

✍️ この記事を書いた人

とっち|理学療法士(PT歴18年)

回復期リハビリテーション病院勤務/脳卒中認定理学療法士3学会合同呼吸療法認定士
学会発表・論文投稿経験あり。回復期病棟で毎日患者さんの排痰ケアに関わりながら、エビデンスに基づいた情報を発信しています。

「痰が出そうなのに出ない」って経験したことありますか?

喉のあたりにゴロゴロした感じがあって咳をしてみるんだけど、なんか出てこない。疲れるだけで、むしろしんどくなる——そういう状態です。

これ、実は排痰で一番よくある「詰まり」でして、原因は「出し方」にあることがほとんどなんですよね。強く咳をすれば出る、と思いがちなんですが、痰ってそんな単純じゃなくて。末梢(肺の奥のほう)に溜まった痰は、いくら咳をしても中枢(喉に近いほう)まで来てないから出てこない。正直、この仕組みを知らないままやみくもに咳をしている患者さんを、今まで何人見てきたかわからないくらいです。

この記事では、排痰の「流れ」と、自分でできる具体的な手技をまとめました。

痰がうまく出せない…排痰法の基本を理学療法士が解説

「痰は感じるのに、なかなか出てこない」「ゴロゴロして苦しいのに、咳をしても出てくれない」——そんな経験はありませんか?

痰が気道に溜まり続けると、息切れの悪化・感染リスクの上昇・肺炎の誘発につながります。特に高齢の方や呼吸器疾患をお持ちの方、術後の方では、痰の管理が回復の鍵を握ることもあります。

この記事では、3学会合同呼吸療法認定士を取得し、回復期病棟で18年間にわたって患者さんの排痰ケアに関わってきた理学療法士が、排痰の仕組みから具体的な手技・自宅でできるセルフケアまで、専門的かつわかりやすく解説します。

📋 この記事でわかること

  • 痰が出にくくなる理由(気道の構造から解説)
  • 排痰の「流れ」——末梢から中枢への移動の仕組み
  • ハフィング・ACBT法・自律性排痰法(AD法)の具体的なやり方
  • 体位ドレナージ(体位排痰法)のポイント
  • 咳嗽介助・スクイージングとは何か
  • 自宅でできる排痰セルフケアと注意点
  • アフィリエイト:排痰を助けるグッズ紹介

🫁 そもそも「痰」とは何か?なぜ出にくくなるのか

痰(たん)とは、気道の粘膜から分泌される気道分泌物(粘液)のことです。通常は気道の線毛(せんもう)運動によって喉の方向へ運ばれ、無意識のうちに飲み込まれています。問題が生じるのは、この仕組みが崩れたときです。

💡 痰が増える・出にくくなる主な原因

原因 具体的な状況
気道分泌物の増加 感染(肺炎・気管支炎)、COPD増悪、喘息発作など
痰の粘稠度(ねばさ)上昇 脱水・乾燥した空気・抗コリン薬の副作用など
線毛運動の低下 喫煙・感染・加齢・全身麻酔・人工気道管理など
咳嗽力(せきをする力)の低下 筋力低下・術後疼痛・意識障害・神経筋疾患など
体位・姿勢の問題 長期臥床・体動困難・嚥下機能低下など

特に回復期病棟で多いのは、「高齢で筋力が低下しているうえ、長期臥床の影響で線毛運動も落ちている」という複合的なケースです。こういった方々には、一つの手技だけでなく、複数の排痰アプローチを組み合わせることが重要になります。

⚠️ 痰が溜まり続けるとどうなるか

気道に痰が蓄積すると、①気道が狭くなりガス交換が悪化する ②細菌が繁殖しやすくなり感染リスクが上昇する ③咳による体力消耗・酸素消費量の増大 という3つの悪循環が生じます1。これが誤嚥性肺炎や無気肺(むきはい)につながる原因のひとつです。

🔄 排痰のゴールは「末梢から中枢へ、中枢から体外へ」

排痰法を理解するうえで最も大切な考え方があります。それは、「痰を一気に口から出そうとするのではなく、段階的に移動させる」という発想です。

気道は太さによって中枢気道(気管・主気管支)と末梢気道(細気管支・肺胞付近)に分かれます。末梢に溜まった痰は、そのままではいくら咳をしても出てきません。まず末梢から中枢へ移動させ、中枢に来た痰を最後にハフィングや咳で口外へ排出するのが排痰の正しい流れです2

排痰の3ステップ

STEP 1
末梢気道の痰を緩める・移動させる
(体位ドレナージ・深呼吸・スクイージングなど)

STEP 2
中枢気道に移動した痰をさらに口元へ
(深呼吸・口すぼめ呼吸・ACBT法など)

STEP 3
ハフィング・咳嗽で体外へ排出
(強い咳よりハフィングが負担少なく効果的)

この流れを理解してから各手技を覚えると、「今自分(または患者さん)のどの段階にいるか」が判断できるようになり、臨床的な応用力が高まります。

💨 最重要手技「ハフィング」——強い咳より体に優しく効果的

排痰法の中で最も基本的かつ重要な手技がハフィング(huffing)です。病院でも在宅でも、患者さん自身が自己管理で行える手技として広く使われています3

🔬 ハフィングのメカニズム

ハフィングとは、声門を開いたまま(喉を締めずに)、「ハーッ!」と強制的に呼気を行う方法です。通常の咳との違いは声門を開いたまま行う点で、これにより気道内の気流速度が高まり、痰を末梢から中枢方向に移動させる「チョーキングポイント」が生じます。

強い咳(声門を一瞬閉じて圧を高めてから開放する)と比べると、ハフィングは気道への圧力が均一にかかるため、術後の疼痛がある方・気道が過敏な方・COPDで気道が虚脱しやすい方でも行いやすいのが特徴です4

✅ ハフィングの正しいやり方(ステップ順)

    1. 座位または半座位をとり、前傾姿勢で少し背中を丸める(腹圧をかけやすくなる)
    2. 鼻からゆっくり大きく息を吸う(深呼吸)
    3. 腕を胸の前で交差(または両手をお腹に当てる)して固定する
    4. 喉を開いたまま「ハーッ!」と勢いよく吐き出す(声は出さない)
    5. 2〜3回繰り返したら、軽く「コホン」と咳払いをする
    6. 喉にゴロゴロ感があれば成功。そのまま痰を吐き出す

❌ ハフィングでよくある間違い

  • 「ハッ!ハッ!」と短く連続して吐く → 息を十分吸えず効果が薄い。1回ずつ深く吸うことが大切
  • 声を出す(「ハーッ!」ではなく「フーッ」と弱く吐く) → 気流速度が上がらず痰が動かない
  • 力んで肩が上がる → 腹圧ではなく胸の力になってしまう
  • 痰が出なくてもひたすら繰り返す → 疲労・気道への刺激になる。休憩を挟む

🔁 「ACBT法」——ハフィングをさらに体系化した排痰の王道

ハフィング単体に加え、臨床でよく用いられるのがACBT法(Active Cycle of Breathing Technique:アクティブサイクル呼吸法)です。

ACBT法は、「安静呼吸→深呼吸→ハフィング→咳嗽」を1サイクルとして繰り返す手技で、痰が多くあるのに自力で出せない方に特に有効とされています3

📌 ACBTの1サイクル構成

① 安静呼吸

普通に数回呼吸。気道を落ち着かせる準備フェーズ

② 胸郭拡張呼吸(深呼吸)

鼻から大きく吸い、2〜3秒息こらえ。末梢に空気を届けて痰を浮かせる

③ 安静呼吸(再び)

深呼吸で動いた痰が落ち着くのを待つ

④ 強制呼出(ハフィング・咳嗽)

中枢まで来た痰をハフィングで最終的に排出する

※①〜④を1サイクルとし、2〜3回繰り返すのが基本。痰が出たらそこで終了してOK

このサイクルの中で「深呼吸→息こらえ」のフェーズが特に重要で、息こらえ(側副換気)によって閉塞した末梢気道の奥の空気が痰の後ろに入り込み、痰を押し出す力が生まれます。

💡 AD法(自律性排痰法)との違い

AD法(Autogenic Drainage:自律性排痰法)は、ACBTより高度な自己コントロール技術です。肺気量を「低位→中位→高位」と3段階に分けて意図的にコントロールしながらハフィングを行い、末梢から中枢へ段階的に痰を移動させます。

習得には一定の練習が必要ですが、器具不要・仰向けでも可能・患者が自己管理しやすいというメリットから、在宅療養者への指導で特に有用です4。理学療法士が個別に指導できる場合は、ぜひ習得をお勧めします。

🛏️ 体位ドレナージ——重力を使って痰を流す

体位ドレナージ(postural drainage:体位排痰法)とは、痰が溜まっている肺区域を上方に向けた体位をとり、重力を利用して痰を末梢から中枢へ流す方法です5

イメージとしては、マヨネーズの容器を逆さにして「出口に向かって流れるように促す」感覚です。痰の貯留部位が明確なほど効果的で、胸部X線写真・CTスキャン・聴診などで位置を特定してから実施するのが理想的です。

📐 主な体位とドレナージ対象部位

体位 ドレナージしやすい部位 特徴・注意
座位・半座位 上葉(肺尖部) 日常姿勢に近く、最も実施しやすい
前傾側臥位60° 中葉・舌区 最も効果が高い体位のひとつ
後傾側臥位60° 下葉(上区) クッションで体位保持を助ける
側臥位 下葉(外側底区) 下になっている側の下葉がドレナージされる
腹臥位(うつぶせ) 下葉後底区 重篤な肺炎・ARDS等で有効性が確立。循環動態に注意

⚠️ 体位ドレナージの実施前チェック

  • 食事・経管栄養から2時間以上経過しているか(誤嚥・嘔吐予防)
  • SpO₂(酸素飽和度)・血圧が安定しているか
  • ドレーン・点滴ラインなどが引っ張られない体位か
  • 骨粗しょう症や骨転移など骨折リスクがある方は体位変換に注意

体位ドレナージは1回の実施で即座に大量の痰が出るわけではありません。5〜10分の体位保持を目安に実施し、その後ハフィングや咳嗽を行って排出を促すのが基本的な流れです6

👐 スクイージング・咳嗽介助——セラピストが行う徒手技術

体位ドレナージやハフィングに加え、理学療法士・看護師などが徒手で行う排痰介助技術としてスクイージング(squeezing)咳嗽介助があります。

🖐️ スクイージングとは

スクイージングとは、呼気時に術者の手で胸郭を素早く圧迫することで、気道内の気流速度を高め、痰を中枢へ移動させる手技です。

具体的には、患者の呼気のタイミングに合わせて術者が両手を胸郭の外側に当て、「絞り込む(squeeze)ように」素早く圧を加えながら呼気を補助します。気道内の空気が一気に流れることで、痰が動きやすくなります。

✅ スクイージングが特に有効なケース

  • 自力で深呼吸・ハフィングができない方(意識障害・重度筋力低下)
  • 人工呼吸器管理中の患者(呼気時に介助することで気流を増強)
  • 体位ドレナージ単独では痰が動かない場合の補助として

🤝 咳嗽介助(アシスト咳嗽)とは

咳嗽介助とは、咳の力が弱い患者に対して、術者が腹部を両手で圧迫し、咳と同時に腹圧を高めることで喀出力を補助する手技です。

「せーの!コホン!」と声かけしながら患者と息を合わせて実施します。神経筋疾患(ALS・脊髄損傷など)や術後に咳の力が低下している方に特に有用です。咳嗽介助はカフアシスト(機械的咳嗽補助装置)と呼ばれる器械を使って行う方法もあります。

❌ スクイージング・咳嗽介助の禁忌・注意事項

  • 骨粗しょう症・肋骨骨折・骨転移(骨脆弱性がある場合は圧迫禁忌)
  • 気胸・皮下気腫(胸腔内圧変化を助長するリスク)
  • 食直後(嘔吐・誤嚥のリスク)
  • 出血傾向・重篤な循環器疾患

💬 現場から:「ゴロゴロが止まらない」80代女性との記録

「先生、こうやると痰が出るんですよ。」

その言葉を聞いたとき、この方はもう私の介助を必要としていないのかもしれないと思いました。

回復期病棟で担当した80代女性の患者さんです。誤嚥性肺炎の回復期で転棟されてきましたが、喉には常に痰が絡み、自力ではうまく排痰できない状態でした。咳をしようとしても体幹筋力が低下しており、すぐに疲れてしまうため、「出したいのに出せない」という場面を何度も繰り返していました。

私は最初から排痰を手伝うことよりも、「ご自身で痰を出せるようになること」を目標にしました。

まずはACBT法(Active Cycle of Breathing Technique)を一緒に練習し、呼吸コントロール、胸郭拡張運動、ハフィングを繰り返しました。「お腹に手を当てて呼吸を感じてみましょう」と声を掛け、ご本人が呼吸の動きを実感できるように進めました。

最初はタイミングがつかめず苦労されていましたが、毎日少しずつ練習を続けるうちに、約2週間後には私が声を掛ける前に自然とお腹へ手を当て、「ハーッ」とハフィングを行い、自分で排痰できる場面が増えてきました。SpO₂の変動も少なくなり、聴診でも湿性ラ音は軽減していきました。

ある日、ご本人が少し誇らしそうに、「先生、こうやると痰が出るんですよ」と教えてくださいました。

その姿を見て、私はリハビリは「できないことを代わりにやる」ことではなく、「自分でできる方法を一緒に見つけること」なのだと改めて感じました。

患者さんが自分の身体を理解し、自分の力で痰を出せるようになれば、病棟だけでなく退院後の生活でも役立ちます。

この患者さんは、技術を教えたのではなく、「自分でできる」という自信を身につけて退院されたのだと、今でも思っています。

📝 現場エピソード

「うまくできてる、合ってる?」——スクイージングで気づいた自分の思い込み

確か入職して10年目を過ぎた頃だったと思います。秋口で、病棟がちょうど誤嚥性肺炎の患者さんで立て込んでいた時期でした。

担当していた80代の男性は、脳梗塞の後遺症で体幹の動きが乏しく、咳の力もほとんどない方でした。聴診すると右下葉に明らかに痰が貯留している音。毎日スクイージングを続けていたんですが、SpO₂は改善しないし、痰も出てこない。3日やっても変わらなくて、「手技が合ってないのかもしれない」と思いながらも確信が持てなかった。

そこで先輩PTに見てもらったら、一言。「圧かけるタイミング、ちょっと早いな」と。呼気の始まりに合わせていたんですが、正確には呼気の中盤から後半にかけて圧を乗せることで、より末梢からの気流が高まるということを改めて教えてもらいました。翌日、タイミングを意識して実施したら、患者さんが初めて「ゴホッ」とまとまった痰を出せた。

その患者さんは、「なんか今日は出た感じがした」とぼそっとおっしゃっていました。本当にぼそっと、それだけ。でもその一言が妙に刺さって、今でも覚えています。10年やっていても、正しいと思ってた手技が微妙にずれていることがある。そういうことは、恥ずかしいことじゃなくて、むしろ気づけた分だけ次に活かせるというのがこの仕事の面白さだと思っています。

🏠 自宅でできる!排痰を助けるセルフケア5選

病院に通えない・介助者がいないシチュエーションでも、日常生活に取り入れられる排痰を助けるポイントをまとめます。疾患をお持ちの方は必ず担当医・理学療法士に相談のうえで実践してください。

✅ ① 水分をしっかりとる

痰が粘稠(ねばねば)になる最大の原因は脱水です。1日1.2〜1.5L(心不全・腎疾患のある方は医師に相談)を目安に水分をとることで、痰がさらさらになりハフィングで排出しやすくなります。特に朝起きた直後は痰が固まりやすいため、朝の一杯が大切です。

✅ ② 室内を適切な湿度に保つ

室内湿度40〜60%が気道粘膜の線毛運動を維持するための適正範囲です7。乾燥する冬や、エアコン使用中は特に湿度が下がりやすいため、加湿器の活用を検討しましょう。湿度が上がると痰がやわらかくなり、排出しやすくなります。

✅ ③ 起床後のハフィングを習慣に

就寝中に痰は溜まりやすく、起床直後が最も排痰しやすいタイミングです。ベッドサイドに座り、ACBT法の流れで深呼吸→ハフィングを2〜3サイクル行う習慣をつけましょう。朝の排痰ルーティンが確立できると、日中の息苦しさが軽減するケースが多くあります。

✅ ④ 体を動かす・歩く

運動によって換気量が増えると、気道内気流速度が上がり末梢の痰が自然と動きやすくなります8。無理のない範囲でのウォーキングや、室内での立ち座り運動も有効です。「まず歩くことが排痰になる」という考え方は、現場でも非常に実感します。

✅ ⑤ 前傾姿勢での休憩を排痰タイムにする

息切れ時の前傾姿勢(両肘を膝や机に乗せて体重を預ける姿勢)は、横隔膜の動きを助けるだけでなく、腹圧がかかりやすくなるため排痰とハフィングを行う姿勢としても最適です。休憩のついでにハフィングを行う習慣が、日中の排痰管理に役立ちます。

❓ よくある質問 Q&A

Q. 強い咳を繰り返しているのに痰が出ない。どうすればいいですか?

強い咳は、中枢気道にまだ痰が来ていない状態でやっても効果が薄いのが大きな原因です。まず体位ドレナージで痰を末梢から移動させ、ACBT法の深呼吸フェーズで側副換気を促してから、最後にハフィングを行う「流れ」を意識してみてください。また、痰が粘稠な場合は水分補給・加湿が先決です。それでも改善しない場合は、担当医・理学療法士に相談することをお勧めします。

Q. 排痰法は誰でもやっていい?禁止されるケースはありますか?

ハフィングや深呼吸は基本的に安全な手技ですが、注意が必要な状況があります。気胸・喀血(血の混じった痰が大量に出る)・急性期の心筋梗塞・不安定な骨折・重篤な循環不全がある場合は、自己判断での実施は禁物です。体位ドレナージも食直後や血圧・SpO₂が不安定な状態では避ける必要があります。必ず医療者の指示のもとで実施することが原則です。

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📝 まとめ:排痰は「流れ」を意識すれば、必ずうまくなる

  • 痰は「強い咳で一気に出す」のではなく、末梢→中枢→体外の段階的な流れで排出する
  • ハフィングは排痰の基本手技。声門を開いて「ハーッ!」と力強く吐く。強い咳より体への負担が少ない
  • ACBT法は安静呼吸・深呼吸・ハフィングを組み合わせた、自己管理に最適な手技
  • 体位ドレナージは重力を利用して末梢の痰を動かす。痰の位置に合った体位が鍵
  • スクイージング・咳嗽介助は、自力では難しい方へのセラピスト・介助者による徒手技術
  • 自宅ケアでは水分補給・加湿・起床後のハフィング習慣・適度な歩行が排痰を助ける
  • AirPhysio・インセンティブスパイロメトリーなどの器具を活用すると自宅での継続がしやすくなる

排痰は一度やれば終わりではなく、日常的に続けることで効果が蓄積します。うまくできない・続かないという方は、ぜひ一度担当の理学療法士に相談してみてください。正しい手技を習得すれば、日々の息苦しさが確実に変わっていきます。

次回は「78 肺炎後のリハビリ|回復期での呼吸機能訓練とは」についてお届けします。ぜひ引き続きご覧ください。

📚 参考文献

  1. Osadnik CR, et al. Airway clearance techniques for chronic obstructive pulmonary disease. Cochrane Database Syst Rev. 2012;3:CD008328. doi: 10.1002/14651858.CD008328.pub2. PMID: 22419331.
  2. Polverino E, et al. Airway Clearance Techniques: The Right Choice for the Right Patient. Front Med (Lausanne). 2021 Feb 4;8:601144. doi: 10.3389/fmed.2021.601144. PMID: 33634144. PMC: PMC7902008.
  3. Lewis LK, et al. The active cycle of breathing technique: a systematic review and meta-analysis. Respir Med. 2012 Feb;106(2):155-72. doi: 10.1016/j.rmed.2011.10.014. PMID: 22100537.
  4. Burnham P, et al. Autogenic drainage for airway clearance in cystic fibrosis. Cochrane Database Syst Rev. 2021 Dec 15;12(12):CD009595. doi: 10.1002/14651858.CD009595.pub3. PMID: 34910295.
  5. Lee AL, et al. Personalising airway clearance in chronic lung disease. Eur Respir Rev. 2017 Mar 31;26(143):160086. doi: 10.1183/16000617.0086-2016. PMID: 28223396.
  6. Narinx N, et al. Thoracic squeezing on airway secretion and respiratory parameters in mechanically ventilated patients: An interventional study. PLoS One. 2025 Mar;20(3):e0316571. doi: 10.1371/journal.pone.0316571. PMID: 40163519. PMC: PMC11940035.
  7. Hasani A, et al. Domiciliary humidification improves lung mucociliary clearance in patients with bronchiectasis. Chron Respir Dis. 2008;5(2):81-6. doi: 10.1177/1479972307087190. PMID: 18539721.
  8. Osadnik CR, et al. Airway clearance techniques for chronic obstructive pulmonary disease. Cochrane Database Syst Rev. 2012;3:CD008328. doi: 10.1002/14651858.CD008328.pub2. PMID: 22419331.

【免責事項】

本記事は一般的な健康・医療情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的とするものではありません。記事内で紹介した排痰手技・呼吸法・運動は、疾患や症状をお持ちの方が実施する場合は必ず担当医・理学療法士の指示のもとで行ってください。状態が悪化した場合やご不明点がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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この記事を書いた人
理学療法士 18年目
とっち

回復期リハビリテーション病院勤務18年目の理学療法士。
・脳卒中認定理学療法士
・3学会合同呼吸療法認定士
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