✍️ この記事を書いた人
回復期リハビリ専門の理学療法士(PT歴18年)
- 愛知県のケアミックス病院・回復期リハビリテーション病棟に勤務
- 🏅 脳卒中認定理学療法士
- 🏅 3学会合同呼吸療法認定士
- 急性期〜在宅まで幅広く経験 / 学会発表・論文投稿あり
医療現場のリアルと正確な情報を届けることを大切にしています。
理学療法士(PT)を目指している方、または転職を考えているPTの方から「実際のところ、給与はどれくらいもらえるの?」という声をよく耳にします。
求人票の数字はあくまで目安。実態はなかなか見えにくいものです。
今回は、PT歴18年・回復期リハ病院勤務の私が、自分のリアルな給与を赤裸々に公開します。良い面も、物足りない面も、包み隠さずお伝えします。
📋 この記事の内容
- 現在の給与(18年目・回復期勤務)
- 年収・ボーナスのリアル
- 18年間の昇給推移と実感
- 専門資格を取っても給与は上がるの?
- 理学療法士の給与が伸びにくい3つの理由
- 現場エピソード:給与への本音
- よくある質問(Q&A)
- それでもPTを続けている理由
- これからPTを目指す人へ
💰 現在の給与(PT歴18年目・回復期リハ病院)
まず結論からお伝えします。現在(PT歴18年目)の給与は以下のとおりです。
PT歴18年目・回復期リハ病院勤務
※扶養手当・時間外手当含む
総支給(月)
約34万円
手取り(月)
約27万円
率直に言うと、18年目としては「思っていたより多くない」というのが正直な感想です。
もちろん、勤務先の種別(病院・クリニック・訪問リハなど)や地域によって差はあります。あくまで一例として参考にしてください。
📊 年収・ボーナスの実態
月収をベースに年収を計算すると、おおよそ次のようになります。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 月収(総支給)× 12 | 約408万円 | 34万円 × 12ヶ月 |
| ボーナス | 約60〜70万円 | 約2ヶ月分(変動あり) |
| 年収合計 | 約470〜480万円 |
⚠️ ボーナスは経営状況で変動します。民間病院のため、診療報酬改定や病院の収益状況に左右されやすいのが現実です。「毎年同額もらえる」とは限らない点に注意が必要です。
国税庁の調査(令和4年度)によると、日本の給与所得者の平均年収は約460万円。数字だけ見れば「平均並み」に映るかもしれません。しかし、18年のキャリアと複数の専門資格を持つ点を考えると、正直なところ物足りなさを感じます。
📈 18年間の昇給推移と実感
新人1年目〜現在の変化
私の初任給(総支給)は約22万円でした。
| 時期 | 月収(総支給) | 昇給ペース(目安) |
|---|---|---|
| 1年目(入職時) | 約22万円 | — |
| 5〜10年目 | 約26〜29万円 | 年間 +約7,000〜8,000円 |
| 10〜15年目 | 約29〜32万円 | 年間 +約5,000〜7,000円 |
| 18年目(現在) | 約34万円 | 年間 +5,000円以下 |
18年間での総昇給額は約12万円。単純計算で年間約6,000〜7,000円のペースです。ただし年次が上がるにつれ昇給幅は縮小しており、最近は年5,000円を下回ることもあります。
🎓 専門資格を取っても給与は変わらない?
私は現在、以下の2つの専門資格を保有しています。
- 🧠 脳卒中認定理学療法士(日本理学療法士協会)
- 🫁 3学会合同呼吸療法認定士
資格取得のために膨大な勉強時間を確保し、学会発表・論文投稿も経験しました。では、給与への影響はどうだったか?
💡 実際の資格手当(私の場合)
月額 1〜3万円程度の上乗せ。勉強時間・受験費用・資格更新コストを差し引くと、純粋な金銭的リターンは限定的というのが現実です。
ただし、資格取得の価値を「給与」だけで測るのは誤りだとも感じています。
- ✅ 臨床推論の深さが増す
- ✅ 患者さんへの還元(アウトカムの向上)につながる
- ✅ 職場内での信頼・役割が広がる
- ✅ 学会ネットワークを通じた情報収集ができる
資格は「給与のため」ではなく「専門性を高めるため」という動機で取り組むべきものだと、18年のキャリアを経て強く感じています。
🔍 理学療法士の給与が伸びにくい3つの理由
なぜ年数を重ねても給与が大きく伸びないのか。現場の肌感覚から3つの理由を挙げます。
① 診療報酬制度に収益が左右される
病院の収益源は診療報酬(国が定める医療費の点数制度)が大部分を占めます。2年ごとの改定で収益が大きく変動するため、人件費の増加に慎重にならざるを得ない構造があります。
② 夜勤がなく夜勤手当が発生しない
看護師など夜勤業務のある職種と比べると、PTは基本的に日勤のみ。夜勤手当(月数万円〜)が積み上がらないため、年収ベースで差が開きやすい傾向があります。
③ スタッフ数が多く昇給テーブルが小さい
特に回復期病院ではPT・OT・STのリハスタッフが多数在籍しています。人件費の総枠が限られる中でスタッフ数が増えると、一人あたりの昇給幅が圧縮されやすくなります。
🏥 現場エピソード:給与への本音
📖 筆者の実体験
「先生、またこの患者さん歩けるようになりましたよ」——後輩スタッフからそう声をかけてもらったのは、脳卒中で入院されてきた80代の方のことでした。入院当初は右片麻痺で車椅子移動のみ。3ヶ月にわたるリハビリを経て、自宅退院時には四点杖で歩けるようになりました。
その退院の日、患者さんのご家族から「先生のおかげです」と言っていただいたとき、正直、給与への不満は一瞬吹き飛びました。
ただ現実として、「それだけでは老後の資産形成や子どもの教育費は賄えない」という焦りも、40代を目前に募ってきているのは確かです。
❓ よくある質問(Q&A)
Q1. 理学療法士は転職で給与を上げられますか?
A. 施設の種別によっては転職で収入アップが見込める場合があります。一般的に、訪問リハ・スポーツ分野・管理職ポジションなどは比較的給与が高い傾向があります。ただし、労働条件や職場環境との兼ね合いで総合的に判断することが重要です。給与だけを見て転職し、働き方や職場風土が合わずに離職するケースも少なくありません。
Q2. 副業は理学療法士に認められているのですか?
A. 勤務先の就業規則によって異なります。多くの民間病院では副業を制限していますが、近年は「副業容認」の施設も増えています。副業を始める前に、必ず就業規則を確認し、必要に応じて上長や人事部門に相談することをお勧めします。ブログ・セミナー・健康相談サービスなど、医療知識を活かした副業を行うPTも増えています。
💪 それでも理学療法士を続けている理由
給与の現実を正直に書いてきましたが、だからといって「理学療法士を選んで後悔している」わけではありません。
この仕事には、数字には換算できない価値があります。
- 🚶 患者さんが再び歩けるようになる瞬間に立ち会える
- 🏠 自宅への退院が決まったときの笑顔を見られる
- 😮💨 呼吸療法を通じて「息が楽になった」と言ってもらえる
- 🤝 「先生のおかげです」という言葉を受け取れる
- 🧩 脳卒中から回復する過程に深く関われる専門性
特に回復期リハビリテーション病棟は、患者さんの「生活の再建」に最も深く関われるステージです。急性期病院で命をつなぎ、回復期で機能を取り戻し、在宅で生活を続ける——そのプロセスの中核を担える職種だということを、私は誇りに思っています。
🎓 これからPTを目指す人・転職を考えている人へ
最後に、キャリアを考えている方へ伝えたいことをまとめます。
💡 初任給は悪くない
国家資格職のため、新卒時点では同年代と比べても初任給は比較的高水準。スタートのコスパは悪くありません。
⚠️ 年功序列での収入増は期待しにくい
昇給幅は年5,000〜7,000円程度。長く勤めても劇的に給与が増える職種ではないという現実を知っておくことが大切です。
✅ 「何を重視するか」で選択が変わる
安定性・社会的意義・専門性・人の役に立つ実感。これらを重視するなら、PTは非常に魅力的な仕事です。
📝 まとめ
PT歴18年目・回復期リハ病院勤務のリアルな給与まとめ
- 月収(総支給):約34万円/手取り:約27万円
- 年収:約470〜480万円前後(ボーナス込み)
- 18年間の昇給幅は合計約12万円(年6,000〜7,000円ペース)
- 専門資格の資格手当は月1〜3万円程度で金銭的リターンは限定的
- 給与以外の価値(やりがい・専門性・安定性)は高い
- 資産形成を見据えた副業・発信活動も一つの選択肢
PTという仕事は「高収入を手軽に得られる職種」ではありません。しかし、人の回復に関わり、生活を支えることができる専門職であることは確かです。
給与の現実を知った上で、それでもPTを目指すか、どんな働き方をするかを考えていただけたら、この記事を書いた意味があると思います。
このブログでは今後も、回復期リハのリアルや医療・健康に関する情報を現場目線で発信していきます。ぜひまた読みにきてください。
【免責事項】
本記事に記載している給与情報は、筆者個人の経験に基づくものであり、すべての理学療法士・医療機関に当てはまるものではありません。勤務先・地域・雇用形態・役職などによって給与は大きく異なります。転職・就職の判断に際しては、各施設の正式な情報をご確認ください。また、本記事は診断・治療・医療行為を推奨するものではありません。身体の症状や疾患については、必ず医療機関を受診してください。


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