3学会合同呼吸療法認定士を理学療法士が取得してわかった【難易度・勉強法・合格率】

理学療法士のキャリア

✍️ この記事を書いた人

回復期リハ病院勤務 理学療法士(18年目)

  • 🏥 回復期リハビリテーション病院に18年以上勤務
  • 🧠 脳卒中認定理学療法士
  • 💨 3学会合同呼吸療法認定士
  • 📊 学会発表・論文投稿経験あり

正確で安全な医療情報を、わかりやすくお届けすることを心がけています。

呼吸療法認定士って理学療法士でも取れるの?」「どのくらい難しい?

そんな疑問を持って検索してくれたあなたに、回復期リハ病院18年目・脳卒中認定PT・3学会合同呼吸療法認定士でもある筆者が、実際の受験体験をもとに合格率・難易度・勉強法まで詳しく解説します。

📋 この記事でわかること

  • 3学会合同呼吸療法認定士の概要と対象職種
  • 年度別・職種別の合格率データ(公式データ引用)
  • コロナ禍の試験延期を経験した筆者のリアルな体験談
  • アステッキ・100日ドリル・青本を使った具体的な勉強法
  • 取得後のメリットとコスパの高さ

💨 3学会合同呼吸療法認定士とは?

正式名称は「3学会(日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会)合同呼吸療法認定士」です。

吸入療法・酸素療法・呼吸理学療法・人工呼吸などに習熟した医療職者を認定することで、チーム医療による呼吸療法の質向上を目的とした資格です。

対象職種と受験資格

職種 必要な実務経験
臨床工学技士 2年以上
看護師 2年以上
理学療法士 2年以上
作業療法士 2年以上
准看護師 3年以上

2024年現在、44,127人の医療職者が本資格を有しており、うち16,964人(38%)が理学療法士です。PT領域でも広く普及している資格です。

📊 合格率データで見る難易度

公益財団法人医療機器センターが公開している公式データをもとに整理しました。

年度別・全体合格率の推移(直近)

回(年度) 全体合格率 備考
第25回(2020年) 69.1%
第26回(2021年) 70.0% ⬅️ 筆者が受験した回
第27回(2022年) 68.5%
第28回(2023年) 66.1%
第29回(2024年) 69.0%

出典:公益財団法人医療機器センター「医療資格別合格率推移」

職種別合格率(第28回・2023年度)

職種 合格率
臨床工学技士 79.4%
理学療法士 🏆 66.7%
看護師 64.2%
作業療法士 58.9%
准看護師 26.3%
全体 66.1%

出典:公益財団法人医療機器センター「医療資格別合格率推移」

💡 ポイント

理学療法士は全職種中2位の合格率。ただし合格率は約65〜70%で、受験者の3人に1人は不合格になる試験です。しっかりとした対策が合格の鍵になります。

🏥 【実体験】回復期PT18年目が第26回(2021年)に受験した話

なぜ取得しようと思ったのか

筆者がケアミックス病院に転職したのは約6年前のこと。それまで回復期専門病院でキャリアを積んできたため、急性期病棟での勤務は初めての経験でした。

RST(呼吸サポートチーム)ラウンド※に参加しながら、医師・臨床工学技士・看護師から直接学ぶ中で、「体系的な知識が必要だ」と痛感し、受験を決意しました。

※RST(Respiratory Support Team):人工呼吸器管理が必要な患者さんへの対応を多職種で行うチームのこと。

コロナ禍で試験が1年以上延期に…

📝 筆者の実体験

夏の講習(コロナ禍でWeb形式に変更)を終え、本来ならその年の秋に試験が行われるはずでした。しかし試験は翌年度へ延期となり、合格まで約1年半かかるという異例の体験に。長期間モチベーションを維持することの難しさを、身をもって経験しました。試験結果が届いたのはクリスマスイブ。郵送で届いた封筒をドキドキしながら開封したあの日は、今でも忘れられません。

試験の難易度は「認定理学療法士の7〜8倍」

公式テキストはかなりの分量で、試験範囲は生理学・解剖学・人工呼吸器の設定・薬理学・呼吸不全の病態など多岐にわたります。筆者の体感では認定理学療法士の試験範囲と比べて7〜8倍程度の量がありました。

「換気血流比(V/Q比)」「FiO₂(吸入酸素濃度)」「PEEP(呼気終末陽圧)」「コンプライアンス」など、普段のリハ業務では馴染みの薄い専門用語も数多く登場します。

⚠️ 注意

試験問題は試験後に回収されるため、公式の過去問は存在しません。市販されているのはすべて「予想問題集」という位置づけになります。

📚 筆者が実践した具体的な勉強法

使用した参考書3冊の特徴

参考書 特徴 おすすめポイント
アステッキ 解説が丁寧で充実 理解を深めたい方に◎
100日ドリル(Respica別冊) 毎日少量ずつ進めやすい 継続的な学習習慣に◎
青本 問題数が多く広範囲をカバー アウトプット強化に◎

「オリジナル参考書」を作る勉強法

筆者が実践したのは、各テキストでPickupされている問題を公式テキストから一問ずつ抜き出して、自分専用の参考書を作るという方法です。

  • 公式テキストは最初の1回のみ通読(以降は使用せず)
  • 問題ベースで整理した自作ノートを繰り返し復習
  • 「何が出るか」を意識しながらインプットできる
  • 試験形式に慣れることで本番のスピードも向上

✅ 結果

手間はかかりますが、この方法で試験当日は7〜8割程度の手応えを得て合格することができました。

💰 取得するメリットとコスパの高さ

  • 📅 認定証の有効期間は5年間(更新制)
  • 💴 更新費用は約3,500円のみ(学会年会費は不要)
  • 📚 更新条件:学会・講習会などへの参加で50点以上取得
  • 🏥 呼吸器内科・循環器内科・ICUのある病院でチーム医療の即戦力として評価
  • 🎓 認定理学療法士・専門理学療法士の更新に関わる履修ポイント(40点)として認定される場合あり

🏆 コスパ最良クラスの医療資格

学会費ゼロ・5年ごとの更新費3,500円のみ。
急性期・ケアミックス病院への転職を検討するPTにも大きな強みになります。

❓ よくある疑問Q&A

Q. 理学療法士が受験するのは「場違い」では?

A. まったくそんなことはありません。2024年現在、資格保有者の38%が理学療法士です。急性期や回復期の呼吸リハに携わるPT・OTにとって、体系的な知識をつけるための有力な資格のひとつです。

Q. 試験勉強はどのくらいの期間が必要?

A. 目安は講習後から3〜4か月、毎日コツコツ取り組むことが重要です。試験範囲が広く、仕事をしながらの勉強になるため、早めにスタートするほど有利です。問題集は購入後すぐに始めることをおすすめします。

📌 まとめ

  • 全体合格率は約65〜70%。理学療法士は全職種中2位と健闘している
  • 試験範囲は認定PTの7〜8倍と広く、早めの対策が必須
  • 勉強法はアステッキ・100日ドリル・青本を組み合わせ、問題ベースで自作ノートを作るのが効果的
  • 更新費用は5年ごと約3,500円でコスパ最良クラス
  • 急性期・ケアミックス病院やRSTへの参加を目指すPTに特におすすめ

呼吸療法認定士は、取得難易度こそ高めですが、チーム医療の即戦力・PT生涯学習ポイント・転職時のアピールとして多くのメリットがある資格です。少しでも興味を持ったら、まずは公式サイトで最新の試験スケジュールを確認してみてください。

【免責事項】

本記事の内容は、筆者個人の体験・見解および執筆時点での公開情報に基づくものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。試験内容・制度・合格率などは変更される場合があります。受験を検討される方は、必ず公益財団法人医療機器センター公式サイト(https://www.jaame.or.jp/iryo/kokyu/)で最新情報をご確認ください。本記事は医療行為や特定の資格取得を推奨するものではありません。

この記事を書いた人
理学療法士 18年目
とっち

はじめまして。
「リハビリと身体のケアラボ」を運営しているtocchiです。

理学療法士として回復期リハビリテーション病院に勤務し、
臨床の現場で長くリハビリに携わっています。

1986年生まれ(40歳)。
大学卒業後から理学療法士として勤務し、現在は約18年目になります。

■ 保有資格・実績
・脳卒中認定理学療法士
・3学会合同呼吸療法認定士
・学会発表・論文投稿多数

日々の臨床では、脳血管疾患や呼吸器領域を含め、
さまざまな患者さんのリハビリに関わっています。

このブログでは、
・理学療法士としてのリアルな現場の話
・リハビリの考え方や実践
・日常生活で取り入れられるセルフケア
などを中心に発信しています。

リハビリや医療に関する情報は、
一般の方にとって分かりにくいことも多く、
インターネット上には誤った情報も少なくありません。

だからこそ、
現場で培ってきた知識や経験をもとに、
できるだけ分かりやすく、正確な情報を届けたいと考えています。

また、このブログは
自分自身の学びや知識を整理する場でもあり、
現場で感じた疑問や関心のあるテーマについても発信していきます。

身体の不調やリハビリに悩んでいる方や、
正しい医療知識を知りたい方の参考になれば嬉しいです。

※当サイトの情報は一般的な情報提供を目的としています。
症状や治療については、専門の医療機関にご相談ください。

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